Meeting Our Uncle Jess & His Co.

We always talk about jesus.but he never replys.
Just open your eyes, see what's the inside of his products.
Otherwise, it bring you sweet, but deadly nowhere.

1950-1969  1970-1979  ● 1980-Now

Soledad Miranda 


●ジェス・フランコという監督は本当に掴みどころがない。
ニ百本近い彼の映画は、大量の駄作と良く出来た凡作、
それに若干の面白い映画に分類できるが、
恐らく、そんなランク付けは愚行だろう。

彼の経歴には僅かながらも極めて「作家」な映画が存在し、
だが、同時にえらく「俗」な映画も存在する。
そして当然ながら、作家=傑作、俗=駄作という単純な公式は
フランコの映画には全く当てはまらない。

つまり「美女の皮をはぐ男」と「バンピロス・レスボス」と
「ブラディムーン」と「艶獄戦士アマゾンズ」は
常識的に考えたら、絶対に同一人物の撮った映画である筈がないのだ。

更にフランコの近作はどうか?ワンショットなる製作会社から
現在も送り出され続けるフランコの映画は、確実に若い。
それら諸作を「20代そこそこの若者が撮ったダメ自主製作ホラー」と
紹介されたら、何の疑いもなく受け入れてしまいそうだ。
これは正直、ちょっと恐るべき事態のような気がする。

俗に娯楽映画と呼ばれる類の作品は、個性がない代わりに
最大公約数的な「面白さ」を備えている。逆に映像作家が作る
「作品」には個性という主張は存分に備わっているが、
誰しもが面白いと感じる不変的な仕上りからは遠くなる。

誰もが少なからず面白いと感じる箇所を含みつつ、
作品に自分の刻印を残せる映画監督を理想の
フィルムメーカーと呼ぶのなら、まさにフランコは悪魔のような映画屋。

「つまらなくて無個性な映画」レベルの駄作は巷にいくらでもあるが、
「SF・SEX/異星人のえじき(ほんの一例)」みたいなスゴイのは滅多にない。
そこにはゴミ映画、なんて愛らしい呼称が永久凍結するような
全てが意味不明で、見る側が途方に暮れるゼロ×ゼロの世界が展開する。
嘘じゃありませんよ。見れば分かるんだから。


じゃぁ何でフランコの映画なんか見るのさ?という疑問が沸くのは必然。
その答えは皆さんが各々、胸に秘めていらっしゃるのでしょうけれど、
個人的には散々頭を捻った結果、彼の映画に手が伸びる理由は
徹底的な駄作と、(多分偶発的に)豊潤に仕上った映画、
その完成度ゲージにおける異常なまでの針の触れ方、
そして余りに膨大な多作家ゆえの正体不明さ、それに纏わって生じる
ミステリアスなロマンさ加減なんじゃないか、と口に出してみる。

フランコがオーソン・ウェルズの未完の作品「ドンキホーテ」に関わった
事実は、最近つとに有名だけれど、怪人ウェルズが実は、
根は実直で勇敢な騎士だとするのなら、フランコはやっぱり風車だと思う。
幽霊の正体見たり枯れ尾花。但し風車を怪物に見せる「思い込み」こそが
映画を見るという行為の上で、最もマジカルで大切な要素だったりするのだけれど。


●まわれフランコ風車


風車には軸がある。フランコ映画に例えれば、監督自身の脳内世界。
これは他人様には図り知れない領域ですよねぇ。
当然分析なんか出来ませんよ。私、フランコじゃないんだし(逃げ)。

でも軸についてる羽は、一見多種多様なフランコ映画に存在する
不変のエレメンツ。ま、固定の要素みたいなもんですか。

吸血鬼、フランケンシュタインの怪物、従者モルフォ、狼男などの畸形、
女戦士や女探偵などに見られるコミック風の登場人物。あと古典文学。
要するにフランコ自身の憧憬が溢れたキャラ&物語が1つめの羽。

2つめの羽は、人里離れたリゾート、怪しいパフォーマンスショー、
ナイトクラブ、女刑務所、ゴシック古城など、愛着ベッタリに
使い回されるロケ舞台・設定。

ソリダット・ミランダやリナ・ロメイ、ハワード・ヴェルノンから
アジタ・ウィルソンまで、お馴染みの出演者たちが3つめの羽。

で、SMやエナメル崇拝や鎖や鞭など、フェティッシュな細部が4枚目の羽。

それがフランコを取り巻く環境・・・製作者・音楽・撮影・編集
(バージョン違い含む)などを担当するスタッフの選択、
予算・撮影期間などの製作状況、更にはフランコの精神状態、
晴れ・雨・雪・暗黒・・・つまり気候条件みたいなもの・・・に応じて、
グルグルグルグルグル回る。

それが時には素晴らしく機能的に働き、
時にはえらい効率の悪い状態で動く。早かったり遅かったりする。
で、それを見た我々はキャーとかヒーとかゲーとか
一喜一憂する訳ですね。なんじゃそりゃ。



●バージョン違い


フランコの映画には結構多くのバージョン違いがある。
但し、これはどれか一つが完全盤で、後はその短縮版という訳ではない。
ひとつのバージョンは、それ自体特定の目的を持って編集されているので、
このプリントにある場面が、こちらにはないとか、
そっちの版で描かれた結末が、こっちでは全然違うとか日常茶飯事。
例えが悪いけど、永遠のカルト映画「ゾンビ」の、真の意味での
<完全版>は、それぞれ皆さんの脳内にしか存在しないように、
フランコの映画はひとつのテーマに沿って描かれた筈の場面場面が
一旦解体されているので、各々のバージョンからそれらを拾い集めて腹に入れ、
観客が租借することでもう一度最初のテーマに戻すという、
非常に面倒くさくて、だが(好きな人には)魅力的な作業が可能となる。

もちろん、フランコ映画では、他者が撮ったフッテージが紛れ込む
ケースも多々あるので、単純に一番上映時間が長いバージョンこそが
ディレクターズ・カットという訳ではないし、逆に観客が自由に
<完全版>を構築できる、そんなフリーな鑑賞法も許されていると
言えるだろう。ま、各国版を切り貼りした寄せ集めビデオとか作られると、
ご苦労様と労いの言葉が自然に出る反面、微妙に白けたりもするんだけど。


*駄文を読んで下さって有難うございます。
でも、まだ駄文は続きます。恐らく貯め込んだガスが全て出るまで続くでしょう。(山崎)


ユーロシネの憂鬱
「本当に恐ろしいビデオがやって来た。インフェルノ・レーベル日本上陸開始…
夢に出ます 内臓感覚欧州怪談」 5月28日待望の第一弾発売!




・・・見ると憂鬱になる映画がある。
見たら呪われる映画もあるし、当然か。

ユーロシネの映画。かつて日本ではネットワークから
「インフェルノレーベル」と銘打ってリリースされ、
文字通り地獄のような内容でレンタル屋をさまよう
純真なホラーファンを餌食にした。

ユーロシネという名が体を表しているように、
本社はフランスにあり、主にヨーロッパの監督に作品の製作を依頼、
完成した映画を配給している会社のようだ(今も健在)。

ものの本によれば、アメリカではユーロシネの作品を
B級映画で鳴らしたチャールズ・バンド率いるエンパイア・ピクチャーズが買取り、
自社で作った作品をエンパイア・レーベルでビデオ化、
ユーロシネ作品はウィザード・レーベルに割り振っていたようだ。
とはいえ、「サンゲリア」やなんかもウィザード版で発売されているので、
どこまでがユーロシネなのか線引きが難しそうだが。

とにかく日本で発売されたビデオは9本。
実は当初のラインナップでは10本が予定されていたが、
発売寸前にフランコの「デーモン・マニア/オカルト惨殺魔」が
「ザ・サディスト」の同内容・編集違いだと判明。
急遽、そのタイトルはお蔵入りが決定したのだという。
(それが近々DVDで再リリースされる予定)

手元にあるビデオを見ると、確かに最初に発売されたものは比較的、
解説にも熱がこもっているが、ロットナンバーが後に行くほど
投げやりモードが濃厚(と思っていたが、下のロット表をみると
丸っきり逆だった)で、女囚映画の顔マリッサ・ロンゴが主演した
拷問列車シリーズ辺りは、どんな作品かも説明されていないほど。
これがイメージ戦略ってやつでしょうか(失礼)?
(一連のシリーズの仕掛け人・江戸木純氏によれば、
拷問列車物2本は氏のつけたタイトルがそっくり入れ替わって
発売されてしまったとか。なるほど良くあることですね)。

さて今更インフェルノ・レーベルを片っ端から見てみようなんて
奇特な人物は居ないとは思うが、世の中何が起こるか分からないので、
10本にまつわるネタを調べられるだけ拾い上げてみた。
15年ぶりに地獄から吹き出したインフェルノ・レーベルの毒気がここに(笑)!

 

<発売ラインナップ>

INS-101:「悪魔の死霊軍団/バージン・ゾンビ
INS-102:「
地獄墓地〜死霊のうめき
INS-103:「
ゲシュタポ超特急/地獄行最終便
INS-104:「
ナチ第3帝国・悪魔の拷問列車
INS-105:「
吸血処女イレーナ
INS-106:「
吸血魔団/地獄の儀式
INS-107:「
怨霊伝説/アッシャー家の大虐殺
INS-108:「
ザ・サディスト/ノートルダム異常性犯罪ファイル
INS-109:「
クリムゾン/血染めの脳移植
INS-110:「
デーモン・マニア/オカルト惨殺鬼(未発売)




「悪魔の死霊軍団/バージン・ゾンビ」
A VIRGIN AMONG THE LIVING DEAD
AMONG THE LIVING DEAD [米]
CHRISTINA, PRINCESSE DE L'EROTISME
ZOMBIE 4: A VIRGIN AMONG THE LIVING

1971年/フランス=ベルギー/カラー・89分/INS-101
監督:ジェス・フランコ
脚本:ポール・ダレ/ジェス・フランコ
撮影:ホセ・クレメント
音楽:ブルーノ・ニコライ

出演:クリスティーナ・フォン・ブラン/ブリット・ニコルズ/
ハワード・ヴェルノン/ポール・ミューラー/ローザ・パロマー/
アンヌ・リベール/ナディーヌ・パスカル


その柔肌に食らいつきたい。
レイプ事件の多発化が大きな社会問題となっている
米国において、ショッキングな内容のために
上映禁止になったという、いわくつきの
アナーキー・ゾンビが遂に登場。
(ジャケ裏解説より)

(物語)
少女クリスティーナは、叔父夫婦の館で奇妙な出来事に
次々と襲われる。彼女が目にしたのは現実か?
それとも悪夢だったのか?(広告文より)

●インフェルノ・シリーズの第一弾として、
「地獄墓地〜死霊のうめき」と並んで
昭和62年5月28日?にリリースされた本作。

レンタル屋で借りる時に、思わず躊躇ってしまう
ステキな裏ジャケはもはや伝説。
この映画がジェス・フランコの監督作で、
しかもジャン・ローランが撮り足したゾンビの場面を加えて
再編集されたバージョンである事が分かるのは約10年後。

それが今じゃカルトですもんねぇ。時代って怖いね。

 


「地獄墓地〜死霊のうめき」
THE INVISIBLE DEAD
LA VIE AMOUREUSE DE L'HOMME INVISIBLE


1979年(まさか!)/フランス/カラー・80分/INS-102
監督:ピーター・シェバリエ(ピエール・シュヴァリエ)
製作:マリウス・ルソール
脚本:ピエール・シュヴァリエ/ファン・フォルチュニイ
撮影:ファン・フォルチュニイ/レイモン・エーユ
音楽:カミーユ&クロード・ソーヴァージュ
出演:ハワード・ヴェルノン/ブリット・カルヴァ/
フェルナンド・サンチョ/パコ・ヴァラダレス/イザベル・デル・リオ



耳にこびりつく恨みの声。
米国ホラーマニアの間で熱狂的に支持されながらも、
日本ではこれまで観る事の出来なかった幻のゾンビ作品。
透明ゾンビが、女を襲う!
(ジャケ裏解説より)

(物語)
狂った科学者が透明人間を作っている。
そんな噂を聞いた若い医者は真相を確かめようと
古城へ向かうが・・・。(広告文より)

●フランコ映画の常連、ハワード・ヴェルノン扮する
マッド・ドクター、オルロフ博士の恐怖物語。
監督のピーター・シュバリエって誰よ?
どうせフランコの変名でしょ、とか思っていたら別人だった。
映画よりもその事の方が衝撃的。


6月28日 ナチスの亡霊が呼び覚ます
第三帝国慰安列車の忌まわし記憶・・・

"拷問、暴行、虐殺 この列車の中では全て許される"
 ジェイムズ・ガードナー監督 「ナチ第3帝国  悪魔の拷問列車  HELL TRAIN」
 "デカダンと呼ぶには堕落しすぎた鬼畜の饗宴"
マーク・スター監督 「ゲシュタポ超特急  地獄行最終便  FRAULIEN DEVIL


「ゲシュタポ超特急(地獄行最終便)」
FRAULEIN DEVIL

1979年/フランス/カラー・90分/INS-103:
監督:マーク・スター
出演:リサ・ロング/パメラ・スタンフォード


欲望がうずまく、鬼畜の狂宴。猟奇・肉欲・暴力が暴走する。
敗戦ムードが色濃く漂う中、ナチスの堕落しきった
絶望感は、人々を狂気へと走らせた。
デカダン(退廃)と呼ぶにはあまりにも異常な狂宴が
女達を狂わせる。
(ジャケ裏解説より)

(物語)
キティーはヒットラーの「慰安電車」の監督だったが、
そこでは捕虜が拷問にかけられ、殺されてしまう。
ところが、その捕虜の中に彼女の昔の恋人が・・・。

●インフェルノ・レーベル第2弾リリースは、定番女囚もの!
昭和62年6月28日に「ナチ第3帝国・悪魔の拷問列車」と
一緒に発売された本作は、広告なんかを見ると実際の
パッケージと題名が「悪魔の拷問列車」と入れ違いに
紹介されている(上文参照、ついでに副題も発売時に加わった模様)。
え?中身?これから観ます。

 


「ナチ第3帝国・悪魔の拷問列車」
HELL TRAIN

1977年/フランス=スペイン/カラー・90分/INS-104
製作会社:ユーロシネ=プラタ・フィルムズ
監督:ジェームズ・ガートナー
脚本:E・B・マンザノス/J・L・ナヴァロ/
    ギイ・ジベール/J・P・ブショー
撮影:エミリオ・フォリスコット
音楽:フランシス・ペルソーネ

出演:モニカ・スウィン/エリック・ミュラー/ヨランダ・リオス/
ルディ・レノア/フランク・ブラナ/ボブ・ホルジャー/
アントワーヌ・フォンテイン/ミシェル・シャレル/
ジャック・クーデルク/ハーバート・フィアラ/M・A・ゴド/
クローディーヌ・ベッカリー



手元にテープなし。今度買ってきます。


7月28日
"ほとばしる鮮血のしたたり  燃え上がる炎のエクスタシー
"

ここから突然ジャケの装丁が変る。
グロい宣伝文句を排除し、物語&解説も急に充実路線(大きなお世話)に。


「吸血処女イレーナ・鮮血のエクスタシー」
EROTIC KILL
LES AVALEUSES
FEMALE VAMPIRE

1973年/フランス=スペイン/カラー・86分/INS-105
監督:J・P・ジョンソン(ジェス・フランコ)
撮影:ジョーン・ヴィンセント(ジェス・フランコ)
音楽:ダニエル・ホワイト
出演:リナ・ロメイ/アリス・アルノ/ジャック・テイラー/
モニカ・スウィン/ジェス・フランコ



●広告タイトル
「エロティキル/エロスの殺人」の改題。
リリース第3弾から詳細な解説&物語が記載されるようになる。
映画自体はジェス・フランコの代表作。
不老不死の孤独な女ヴァンパイアというテーマは
傑作「ヴァンピロス・レスボス」を引き継ぐもの。

主演のリナ・ロメイはまだ若々しく、
大胆なヌードと濡れ場を見せてくれるが、
本来ならイレーナ役はソリダート・ミランダが演じていたであろう
キャラクター。人生とは皮肉で不思議なものである。

(物語)
若く美しい伯爵夫人、イレーナが霧深い山麓の村へやって来た。
彼女は永遠に死なないヴァンパイア。
そのミステリアスな美しさに魅了された人間たちは、
男女問わず彼女の餌食となる。
イレーナは常に罪悪感に苛まれており、
一時でも本気で愛した村男(ジャック・テイラー)をも
毒牙にかけてしまった喪失感を抱えたまま
呪われた運命には逆らえず、今日も霧の漂う森をさまようのだった。

設定や粗筋はモノローグで処理し、映画で描かれるのは
イレーナが獲物を誘惑するシーンと、その後の吸血場面のみ。
他に存在するのは全裸に黒マントで歩き回るイレーナを始め、
俗に言うイメージ描写だけ。フランコ映画の何本かは、
雰囲気だけを伝えるだけの演出に終始しており、
この映画は間違いなくそのタッチで撮られた1本。

インフェルノ版は、イレーナが首筋から血を吸うソフト版で、
映画宝庫DVDでは本来のバージョンである、
犠牲者の股間から生気を吸う描写を含むハード版を採用。
ソフト版の描写は付随の映像特典で見られる。

 


「吸血魔団/地獄の儀式」
THRILL OF THE VAMPIRES
LE FRISSON DES VAMPIRES
THE SHIVER OF THE VAMPIRES

1970年/フランス/カラー・89分/INS-106
監督・製作・脚本:ジャン・ローラン
共同脚本:モニーク・ナタン
撮影:ジャン=ジャック・レノン
音楽:アカンサス

出演:サンドラ・ジュリアン/ジャン=マリー・デュラン/
ジャック・ロビオレ/ミシェル・デライエ/
マリー=ピエール・トリコ/ニコール・ナンセル/ドミニク

●昭和62年7月28日「吸血処女イレーナ」と共に発売。
広告タイトル
「戦慄の吸血鬼」の改題。
今や紹介不要のジャン・ローラン監督作。

(物語)
父親の別荘を訪れたピエールは奇妙な光景を目撃する。
全裸で逃げ惑う少女を追う、獣の頭をつけた不気味な男たち・・・。
不審に思ったピエールは、父親から入室を禁じられていた
謎の部屋へ忍び込む。幻想的な装飾が施された異様なムードの漂う
この部屋で彼が見たものは、呪われた悪魔たちの聖なる儀式であった。
そこではなんと女たちが次々にステージに上がり、自らの手によって
こめかみにあてられたピストルの引き金を引くのである。
真っ赤な鮮血で染められたこの儀式−これは血に飢えた悪魔たちの
生誕の儀式であり、恐ろしい地獄絵図の幕開けとなった。

・・・あれ?そんな映画でしたっけ??????????????
クレジットも混乱していて、監督は
ジャン・ローン(笑)、
出演:O・マーティン、N・レナトル・・・って、誰?

作品自体はローランの(確か)長編3本目に当たるヴァンパイアホラー。
冒頭、霧の漂う墓地にキンキーなサウンドが鳴り響く演出は、
まさにロック(個人的解釈)。しかもヨーロピアン。
時計の中から現れる女、白いハトから滴る血に唇を赤く染める
サンドラ・ジュリアン。官能に彩られたロマンティックな背景と、
ローランのシュールな詩的イメージが比較的上手く結実した小傑作。

日本コロムビアさんから発売された改題版DVD「催淫吸血鬼」は
インフェルノ(ユーロシネ)版でカットされていた、
本編冒頭の埋葬儀式を収録したバージョン。気に入ったならそちらも是非。


8月28日

" その館で何が起こったのか!?"
J・P・ジョンソン監督 「怨霊伝説  アッシャー家の大虐殺/
           REVENGE IN THE HOUSUE OF USHER

" 残虐な快楽に酔い飛び散る鮮血に眩暈を感じた"
ジェス・フランコ監督 「 ノートルダム異常性犯罪ファイル

            ザ・サディスト SADIST 0F NOTREDAME


「ザ・サディスト/ノートルダム異常性犯罪ファイル」
THE SADIST OF NOTREDAME
LA SADIQUE DE NOTRE-DAME
EL SADICO DE NOTRE-DAME
RIPPER OF NOTRE DAME
EXORCISM & BLACK MASSES
DEMONIAC [米・87分]

1979年/フランス/カラー・90分/INS-108

監督:ジェス・フランコ
撮影:レイモンド・ヘイル
音楽:ダニエル・ホワイト

出演:リナ・ロメイ/ジェス・フランコ/ナディーヌ・パスカル/
ローザ・アルミラル/オリヴァー・マソット/イロナ・クネソーヴァ/
キャロライン・ロック


●昭和62年8月に発売を広告された時点のタイトルは
「ノートルダムの殺人鬼」。同じ8月にリリースが告知されていた
「DEMONIAC」は、この映画の
編集違いで、
担当氏を大いに慌てさせた(と想像される)→結果発売中止に。

歪んだ性観念に縛られたマシス・ヴォーゲル(フランコ)は、
精神病院を脱走。パリ周辺にたむろする売春婦を殺害して回る。

この映画も他のフランコ作品と同じように、多くのバージョン違いが存在する。
(ユーロトラッシュ映画の伝導師サイト、ダークウォーターでは
全てを観るのは不可能とさえ断言している)最もソフトなバージョンは
「サンゲリア」などを米国でリリースしたことで知られる
ウィザード・ビデオが1980年代の終わりに出した「DEMONIAC」版だろう。
このテープは外箱の表示によればおよそ87分しかない。

この映画はスペインとフランスの製作会社によって
1979年に再編集され、新たにリリースされた作品。
このバージョンは1974年のオリジナル
「EXORCIME ET MESSES NOIRES(ややこしいけど、
それが「デモニアック」)」から5年後に撮られた、
パリ周辺での新撮部分(フランコが市内をブラつく場面など)を加えたもので、
濡れ場や暴力描写はオリジナルよりもソフトなバージョンを採用している。

 


「アッシャー家の大虐殺・怨霊伝説」
REVENGE IN THE HOUSE OF USHER
NOVROSIS

1986年/フランス/カラー・90分/INS-107
監督:A・M・フランク(ジェス・フランコ)
製作総指揮:ダニエル・ルゾワー
脚本:H・L・ロスタイン
原作:エドガー・アラン・ポー
撮影:アラン・ハーディー
特殊効果:SOISカンパニー
音楽:ダニエル・ホワイト

出演:ダン・ヴィラーズ/ジョン・トルザック/
ジョアン・ヴァーリー/フランソワーズ・ブランチャード/
オリヴァー・マソット


●「ザ・サディスト」と共に、昭和62年の8月にリリース。
恐怖のジェス・フランコ2本立て!が、真夏の夜を震撼させた。
発売告知カタログ・タイトルは、原題のまま
「ノイローゼ」

(物語)
崖の上にそびえたつ不気味な城。
代々呪いがかけられた、このアッシャー家では最後の当主も
既に狂気の真っ只中に叩き込まれようとしている。アッシャー氏の
凄惨な過去を遺言のごとく打ち明けられた家来のアランは、
殺されたアッシャーの妻クララの幻影に取り憑かれていく。
遂にアッシャーは狂気のうちに死に絶え、呪いも立ち去ったかに思えたが、
死霊たちによる悪夢の世界は、今まさに始まろうとしていた!
(ジャケ裏より、修正転載)

原作えどがぁ・あらん・ぽぉおお?と絶叫してしまいそうな、
素晴らしきフランコヴィジョンに溢れた翻訳ヴァージョン。
本編の大半はハワード・ヴェルノンの「美女の皮をはぐ男」なので、
そちらを手軽にご覧になりたい方には向いてるかも。

 


9月28日
"静かなる街を鮮血の濃霧に染め 地獄の殺人鬼 生首男が来る"
ジャン・フィル・チュイン監督 「クリムゾン  血染めの脳移植  CRIMSON」

"お前には悪魔が憑いている。生かしてはおけない!”
 J・A・レイザー監督 「デーモン・マニア  オカルト惨殺鬼  DEMONIAC


「クリムゾン/血染めの脳移植」
CRIMSON

1980年/フランス(=スペイン)/カラー・86分/INS-109
監督・脚本:ジャン・フォルチュニー
共同脚本:アル・マリオー
撮影:レイ・ヘイル
音楽:ダニエル・ホワイト
監修:マリオ・レゾワール
出演: ポール・ナッシュ(フランス風発音)/
シルヴィア・ソラー/オリバー・マソート/リチャード・パルマー/
カルロス・オテロ/イヴリン・スコット/リチャード・コーリン/
ギルダ・アンダーソン/ユル・サンダーズ


●昭和62年8月(4作同時リリース?かと思いきや、
やはり後の2本は9月発売になった模様)を告知された時点では副題はなし。
スペインを代表する怪奇映画スター、P・ナッシー主演の犯罪スリラー。

(物語)
凶悪な犯罪組織のキー・マン(重要人物)ジャックが
激しい銃撃戦の末、頭を撃たれた。悪を根絶させる為には
この男を殺してはならない。しかし、助ける道は脳移植しかない。
警察は極秘裏に脳提供者=犠牲者の的をしぼる。
ジャックと同じ凶悪なギャングの中からリスト・アップが行われ、
ついに運命の手術が開始された。頭蓋骨が切断され、脳が移植される。
ジャックの一命は辛くもとりとめたが、このオペレーションによって
史上最凶の殺人マニア"クリムゾン"が誕生したのであった!(ジャケ裏より)

・・・ウルトラ・キッチュ!
なんだよ、殺人マニア=クリムゾンって。
キー・マン(重要人物)ってのも笑える。

今回はリリースの終焉を迎えて、ジャケットの解説文も充実。

〜ヨーロッパのエンパイヤ"ユーロシネ"が送る現代版
「フランケンシュタイン」!脳移植手術によって最悪の
段人狂と化してしまうジャック役をヨーロッパ屈指の怪奇俳優
ポール・ナッシュがリアルに演じる。あまりの残酷さゆえに
一時製作がストップされたいわくつきのこの作品が
インフェルノ・レーベルによって遂に日本上陸を開始する。〜

誤植もそのまま転記。"静かなる街を鮮血の濃霧に染め−"で
切れているキャッチコピーにも「投げやりの美」みたいな物が−。

ホントのところは、宝石泥棒に失敗したナッシー率いる強奪団が
警察の追撃を受けるうちに、ナッシーが頭を撃たれ(ここは本当)、
慌てた一味が地元の医者に相談するところから映画は始まる。
脳移植が必要と知った彼ら(ここも本当)は、商売敵を殺して
その遺体を電車の線路に寝かせ、貨車の車輪で首をチョン切り、
それをナッシーの脳移植に用いる、という凄まじく出鱈目な物語が展開。

で、面白いかというと、正直これがあんまり。
まぁエロ描写も含めた、チマチマした犯罪物って感じ?
長年、紛失したと噂されていた、フランス版にのみ存在する
ハードコアな濡れ場シーン(この映画最大の話題)も、
最近の米国DVDに映像特典としてアッサリ収録。
しかも実際に見たら、輪をかけて大したことなかった・・・
さすがナッシー映画。

宣伝広告に使われた唯一のパブ写真。
でもさー、これはナッシーじゃなくて、ジャック・テイラーのような・・・。

日本版は英語音声のプリントなので問題の濡れ場は未収録。
他のインフェルノ作品群はユーロシネの仏版プリントなので、
普通の段取りで進めばノーカットでのリリースになった筈なのに、
なぜかこの映画だけが米国ウィザード版(当然カット版)と
同じマスター。こはいかに?
どうやら仏版プリントは音声まで完全に仏語のようなので、
勝手な推察が許されるのなら、発売時に英語プリントを、
と特に注文して取り寄せたゆえの結果なのではないだろうか?

 


「デーモン・マニア/オカルト惨殺鬼(未発売)」
EXORCISM(E)
CHAINS AND LEATHER
EXORCISME ET MESSES NOIRES
SEXORCISMES
EXPERIENCES SEXUELLES AU CHATEAU DES JOUISSEUESS
LE VIZIOSE

1974年/フランス/カラー・93分/INS-110?
監督:J・P・ジョンソン(ジェス・フランコ)
出演:リナ・ロメイ/ジェス・フランク/ピエール・タイロウ/
リン・モンテイル(ナディーン・パスカル)/モニカ・スウィン/
オリヴィエ・マソット/ロジャー・ジャーマンズ/
クロード・センドロン/リチャード・デコーニック/
ダニエル・J・ホワイト/サム・マリー/キャロル・リヴェーレ

引きずられて行くリナ・ロメイ(はぁと)。
●当初は「デモニアック〜悪魔に憑かれた男」として
昭和62年8月リリース(後に9月28日に変更)を告知されながらも、
発売中止となった曰くつきの作品。
「ザ・サディスト」の編集違い作品として知られているが、
中身の印象は結構違う(やはり個人的感想だが)。
因みに同じ「DEMONIAC」というタイトルを冠した
米国ウィザードビデオ版は、「ザ・サディスト」にカットを施した短縮バージョン。


(物語)
売春婦にSM女、変態野郎。サカる奴らは37564!
フランコがビザールな断罪意識に取り憑かれた男を熱演する1本。

ぶっちゃけ「ザ・サディスト」は、オリジナルの「EXORCISM」から
美味しいところを抜き出し、それをインモラル神父の回想という形で
綴った、いわばヒットパレード的趣きの作品。
では、荒削りなオリジナルは「ザ・サディスト」に劣るかというと
さにあらずで、こちらには編集者のハサミによって薄められた
改変版にはない、異常なくらいアッパーな気狂い念波が
全篇に横溢している。

「デーモン・マニア(もう「デモニアック」題でDVD発売が
決定しているので、今後は呼び名を後者に統一)」のオープニングは
ハトの生血を絞り出す、不気味な黒魔術風のSMショーで幕を開ける。
(フランコ自身のパリぶら描写からスタートする「ザ・サディスト」も
ションベンしながら歩いてるジジイのドキュメンタリー風ショットが
登場したりして、実は侮れないのだが)。

「デモニアック」の主人公ヴォーゲル(J・フランコ)は、
売れない小説家。彼は非常に歪んだ性観念を持っていて、
自堕落な生活を送る人々を覗き見ては小説の題材にしている。
しかし、自作に無関心な社会に対する積年の恨みからか、
やがては小説と実生活がクロスオーバーし、独自の道徳観念から
外れた人々を次々と血祭りに挙げてゆく。
ナイトクラブで売春をしているギャル、SMショーのパフォーマンスに
熱中する美女(リナ・ロメイ。超キュート!)、サドマゾ行為を
取り込んだ情事にふける男女・・・。彼らの全てが反道徳的。
ヴォーゲルは悪徳に身を染めた人々に改心を迫り、
自ら振るう狂気の刃で彼らの肉体に断罪を下す。
「デモニアック」は観客の感情を不快な方向へと猛烈に煽る
ムードに貫かれており、フランコ映画の中ではかなりの力作と言えそうだ。

また「デモニアック」と「ザ・サディスト」は、その幕切れも
かなり異なる。「デモニアック」では、ヴォーゲルが舞台上で
パフォーマンスを行う女性を刺殺した後、警察に追われて
リナ・ロメイを人質に彼を追う警察と対峙する場面があるが、
「ザ・サディスト」ではその部分は完全に削除され、
神に自らの罪を懺悔したヴォーゲルが、ノートルダム寺院から
歩き出て警察に逮捕される場面で終わる。
どちらのシーンもそれなりにインパクトのあるエンディングだが、
悪行を重ねたフランコに銃弾が撃ち込まれる寂寥とした
オリジナルのラストはなかなか味わい深い。

1975年に改題されてリリースされた、俗に言うハードコア版である
「SEXORCISME」の存在も知られているが、今回の「デモニアック」は
題名こそ「EXORCISME」ながら、それらのシーンを全て収録した
バージョンのようだ。余談ながら「デモニアック」というのは
この映画の伊国公開用タイトルだとか。

結論。フランコが表現しようとしたサムシングは
「デモニアック」の方が純度が高い状態で表現されている。
よって彼の映画が好きな人には、本作はマストアイテムかと。


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