ースト・ガレオン(未) (1974〜75)
El Buque maldito
aka: The Ghost Galleon
  : Ghost Ships of the Blind Dead
  : Horror of the Zombies
  : The Damned Ship
  : The Blind Dead 3
(米題)
  : La Noche del buque maldito


スペイン映画/カラー・106分(実際は最長90分?カット版85分)
日本劇場未公開(ビデオ未発売/TV未放映)

製作会社:アンクラ・センチュリー・フィルムズ
製作:J・L・ベルムデズ・デ・カストロ

監督・脚本・原案:アマンド・デ・オッソーリオ
撮影:ラウール・アルティゴット
編集:ペトラ・デ・ニエーヴァ
プロダクション・デザイン:(エドゥアルド・)トッレ・デ・ラ・フエンテ
音楽:アントン・ガルシア・アブリール
特殊効果:ホセ・ルイス・カンポス

出演:マリア・ペルシー(リリアン)/ジャック・テイラー(ハロルド・タッカー)/
   バルバラ・レイ(ノエミ)/カルロス・レイモス(グルーバー教授)/
   マヌエル・デ・ブラス(セルジョ)/ブランカ・エストラーダ(キャシー)/
   マルガリータ・メリーノ(ロレーナ・ケイ)


解説・・・
「ブラインド・デッド」シリーズの3本目となる
「EL BUQUE MALDITO」は、スペインのマドリッド周辺と
アリカンテでロケ撮影され、本国スペインでは75年の
9月15日に封切られた。一部ではシリーズ中で
最も出来が悪い作品と貶されている、この3作目だが、
今回はいつもと少々趣向を変え、幽霊船の中に巣くう悪霊として
ブラインド・デッド>が登場、モデル系の美女を
襲うという内容になっているのがポイント。
全編、霧で覆われた画面を多用することで、オッソーリオは
怪奇ロマン風なムードとそれまでの諸作とは違う、<見せない>
サスペンス演出を試みている。


<物語>
スペインにあるフォト・スタジオ。やり手のモデル・エージェント、
リリアン(M・ペルシー)が、仕事を終えたモデルの一人
ノエミ(B・レイ)から激しい口調でに詰め寄られている。
彼女の恋人で、モデル仲間でもあるルームメイトの
キャシー(B・エストラーダ)がここ数日行方不明だというのだ。
警察に調査を依頼しても構わないという剣幕のノエミに
リリアンは事情を説明するから、港の近くにある倉庫に来るように言う。

実はリリアンのBFでもある企業家ハロルド・タッカー(J・テイラー)の
提案で、キャシーら若いモデル達を仕込み、海をボートで漂流
していた女性達の救出劇を演出、新製品の宣伝に使おうとしていたのだ。
大海原に浮かぶボートの上で数日間を過ごすキャシー達とは
倉庫にある無線で連絡が取れるようになっていた。
タッカーの右腕でもあるセルジョ(M・デ・ブラス)が日課になっている
定時連絡を取ろうとした時、海上のキャシー達の前に巨大な帆船が現れた。
濃い霧に包まれたボロボロの姿は、まるで幽霊船。状況を調べようと
ボートに同乗していたもう一人のモデル、ロレーナ・ケイ(M・メリーノ)が
助けを求めて船内へ入って行くが、やがて薄暗い船倉に彼女の悲鳴が轟く。
しかしキャシーは熟睡してしまっていた為、悲鳴に気付かず
そのまま一夜を明かしてしまう。


翌日、セルジョにヘリでの捜索を任せ、リリアンとタッカーは
海洋の気象関係に詳しいグルーバー教授(C・レイモス)を訊ねる。
教授は最初、非協力的な態度だったが、リリアンがモデル達が
幽霊船らしき船を見たという話を出した途端、態度が一変する。
教授は秘宝を隠した伝説の幽霊船を探していたのだ。

一方、自分が寝ている間にロレーナ・ケイが消えてしまった事に
責任を感じたキャシーは、リリアン達に連絡を入れようとするが、
浸水した海水を浴びた無線機は故障してしまっていた。
ボートの操縦が出来るロレーナ・ケイが姿を消してしまった為、
仕方なくただ一人、幽霊船の内部へと乗り込んでいくキャシー。
やがて船倉で、不気味な軋み音を上げて船底の棺桶が開く。
船室でラジオを聴いていた彼女にはそれが聞こえず、いつの間にか
集団で現れた<
ブラインド・デッド>達に取り囲まれてしまい、
そのまま船底に引きずり込まれてしまった。

リリアン達は帆船を駆り、消息を絶ったキャシー達の救出に向かう。
同乗しているのはタッカーとセルジョ、グルーバー教授、
そしてノエミらの5人。しばらく海上を航海すると、
それまで晴れていた天気が一転。濃い霧が辺りに漂いだした。
沸き上がってきた霧によって彼らは舵を迷い、やがて幽霊船のような
問題の帆船に辿り着く。目の前に出現した船に小型ボートで乗り付けた
彼らだが、綱で結んでおいた筈のボートはいつの間にか
流されて消えてしまっていた。

夜になって、どうしてもキャシーの行方が気になって仕方のない
ノエミは懐中電灯を手に、一人船内を探索して回る。
怪しい船倉を発見した彼女は、キャシーの名前を呼びながら
閉ざされた扉を叩くが、そこから現れたのはおぞましい
ブラインド・デッド>達の群だった。ゾンビはノエミの喉を引き裂き、
悲鳴が上げられない彼女は哀れにも船底に引きずり込まれ、
バラバラに引き裂かれて、貪り食われてしまった。

グルーバー博士は、船に残されていた航海日誌から、この船が
悪魔を崇拝し、不老不死を求めた騎士団をオランダへと連れ戻す目的で
航海を続けていた事を発見する。そしてこの船には騎士団が隠した
大量の財宝があることも・・・。リリアン達は二手に分かれて船内を探り、
偶然にも教授と彼女は船倉の網の影に隠された秘密の小部屋を発見する。
そこには運びきれない程の金銀財宝と共に、黒魔術の神を祭った
不気味な角を持った骸骨を目の当たりにする。
まさにその時、船倉に並べられた木箱の蓋が開き、
ブラインド・デッド>の一団が起き上がってリリアン達に襲いかかってきた。
機転を利かせたグルーバー博士は、十字架を象った木ぎれに火をつけ
それを翳すことで、ゾンビ達を船底に追い払うことに成功する。

デッキに逃げて朝を迎えたリリアン達は近くを航行する船に
助けを求めるが、グルーバー博士はこの船の周辺が異次元空間にあり、
現実空間の人間には我々の声は届かないのだと説明する。
日があるうちに<
ブラインド・デッド>の眠る木箱を海に投げ捨てた一行は
船が異次元空間を抜け出たことを確認、泳げないグルーバー教授を残し、
助けを呼びに海へ飛び込んだ。その直後、帆船は突然発生した火災によって
博士を乗せたまま沈没した。

岸へと泳ぐ途中、捕まる丸太を巡ってタッカーとセルジョが
激しい争いになり、タッカーを溺れさせようとするセルジョを止めさせようと
リリアンは彼が背負っていた財宝を入れた鞄から探検を抜き取り、
その背中を突き刺した!セルジョは海中に沈み、ようやく2人は陸地に
辿り着いた。息も絶え絶えになって海岸に横たわるリリアンとタッカーに、
海中を歩いて渡ってきた<
ブラインド・デッド>達が襲いかかる!



この映画の視覚面での弱点を挙げるとすれば、雰囲気重視の為か、
ゴア描写が少なめという点(それでも一応、犠牲者の首が長剣で
切りつけられ、そこから流れる血をゾンビが啜るシーンがある。
それに<呪われた難破船>の全景をとらえたロングショットのいくつかが
相当な低予算で作られているせいか、余りに貧相である点だろうか。

だが、それを補って余りあるのが常に不気味な軋み音を上げる
幽霊船というお膳立て。シリーズを通して、<
ブラインド・デッド>の
現れる舞台は廃墟と化した修道院だったり、鄙びた寒村だったりと
ムード満点だったが、この作品では海上に浮かぶ幽霊船、
それも宝物が隠された秘密部屋があったりと、
視覚的に効果のあるセッティングが用意され、物語に貢献している。


演出面では、導入部がやや長く、肝心の幽霊船に辿り着くまでが

時間がかかりすぎている印象。それ故にクライマックスがバタバタと
ナシ崩し的に展開してしまうのがちょっと勿体ない。
だが、そうした問題点こそがオッソーリオ印とでも呼ぶべき
奇妙な味わいで、この作品のチャームポイントでもあるのだろう。

例えば、リリアン達が仕組んだ新製品の宣伝作戦
(そもそもコレが妙な作戦なのだが)の失敗を知ってしまった
モデルのノエミが、いきなり倉庫に監禁されてしまい、
そこから逃げ出そうとして結局捕まり、粗暴なセルジョに
レイプされてしまう(直接描写はなし)場面や、ノエミが回想する
自室でのキャシーとの百合チックなやり取りなど、
観客へのサービスを半端に実行した?おかしなシーンが数々登場する。

また海洋気象の研究家であるグルーバー教授が泳げなかったり、
捕まる丸太を巡って醜い争いが展開するラストなど、
毎度ながら人間味溢れる?小ワザが利いている。

出演者の中では、モデル事務所の女社長に扮する
マリア・ペルシーの存在感が圧倒的。
1940年9月23日、ハンガリーのアイゼンシュタット生まれの彼女は
58年、ドイツ製スリラー「濡れたアスファルト(未)」で映画デビュー。
18歳の時に「黒い稲妻」(58)でスキーの名手
トニー・ザイラーの相手役を演じ、一躍人気スターになった。
以後、国際的な女優として活躍。70年以降はホラー映画への出演も多く、
「傴僂男ゴト/戦慄の蘇生実験」(72)、「女の館」(76)、
「デビルズ・ドッグ」(77)などのポール・ナッシー作品にもクレジットされている。
チャールズ皇太子とのスキャンダルで有名なスー・クターク主演の
「新・青い経験」にも出演。最近はドイツのTVでの活躍が多いもよう。

彼女のBF役でオッソーリオの「ナイト・オブ・ソーサー」(74)、
The Sea Serpent」(84〜85)にも出ていたジャック・テイラーが出演。
彼はフランコの映画に良く顔を出しており、最近ではロマン・ポランスキーの
「ナインスゲート」にもチラッと出演していたのが話題になった。

その他、モデル系の美女が何人かクレジットされているが、
映画の前半で殺されてしまうキャシー役に扮したブランカ・
エストラーダは後にオッソーリオの「Forbidden Passion」で
主役を演じている。


英語に吹き替えられたSuper Videoからリリースされている
「HORROR OF THE ZOMBIES」バージョンのビデオは
今や殆ど手に入らない(廃盤状態?)テープで、
残念ながらオリジナルの画面サイズであるシネスコ・
サイズでのリリースではないのだが、色彩や画質自体は
比較的見られるマスター。殆どの海賊版はコレを使ったコピーだろう。

この映画を新たなマスターで、これ以上はない決定的な
完全版でリリースする予定に関しては、今のところ海外の
ビデオ/LD/DVD業界でも全く聞かれない。

また、IMDbなど、いくつかの資料でオリジナルの106分版が
存在するという記述があるが、そのランニング・タイムのプリントは
今まで一度も発見されていないようだし、海賊版の大御所?
<ミッドナイト・ビデオ>でも、「ゴア場面など全て含んだ
90分のバージョン」と謳ってテープを売りさばいているようなので、
問題の106分バージョンは限りなくガセネタに近いのではないだろうか?
パッケージに106分を謳っている、スペイン語字幕つきの
ヴェネズエラ版も、実際には90分のマスターであり、
画質は余り良くないとのこと。

この映画の一部が収録されているのが「スティーヴン・キングの
ホラーの館
」の最終巻。モデル(ノエミ)が首筋を傷つけられ、
血を流して這いまわるゴア?シーンがピックアップされている。
(画質は当然ながら海賊版と比較にならないほどキレイ!!)
日本で一番手軽にこの映画を見る方法はレンタル屋で
このビデオを借りてくることかもしれない(雰囲気は十分楽しめます。)
ここで使われている題名は「
Horror of the Zombies 」。
因みにこのHPでの邦題は、一般に通りが良い
ゴースト・ガレオン」を採用しました。

●やまもとさんによる、ドイツ版DVD比較を見る


テラー・ビーチ/髑髏軍団美女虐殺(V)」(1975)
La Noche de las gaviotas
aka: Night of the Blood Cult
  : Night of the Death Cult
  : Night of the Seagulls
(1977:米題)
  : Terror Beach
(ビデオ題名)
  : The Blind Dead Have Risen
  : La Noche de las Gaviotas

イタリア=スペイン合作?/カラー・85分(オリジナル89分?)/シネスコ/
日本劇場未公開(ビデオ発売:クラリオン:79分短縮&TVサイズ・バージョン)


製作会社:プロ・フィルムズ&アンクラ・センチュリー・フィルムズ
製作:ホセ・アンヘル・サントス

監督・脚本・原案:アマンド・デ・オッソーリオ
撮影:フランチェスコ・サンチェス
編集:ペドロ・デル・レイ
美術:グメルシンド・アンドレス
音楽:アントン・ガルシア・アブリル
特殊メイク:クリストバル・クリアード
特殊効果:ホセ・ゴメズ・ソリーア

出演:ヴィクター・ペティット(ヘンリー・ステイン)、
   マリア・コスティ(ジョーン・ステイン)、
   サンドラ・モザロフスキー(ルーシー)、ホセ・アントニオ・カルヴォ(テディ)、
   ジュリー・ジェームズ(ティルダ)、スザンナ・エストラーダ、ジュリア・サリー



解説・・・
4本続いたブラインド・デッド・シリーズの
最終作となるこの映画は、今までとはひと味違った
内容になっている。

●海辺の不気味な寒村に赴任してきた医師ヘンリーと、
美しい妻のジョーンは、毎夜12時になるとどこからともなく
聞こえてくる鐘の音と、カモメの鳴き声に興味を持った。
この村では7年ごとに連続7夜、毎晩一人ずつ
海の騎士たちの亡霊に若い処女を捧げる風習があったのだ。
その事実を知ったヘンリーは、生贄にされそうになっていた
娘を救い、屋敷に立てこもる。やがて娘を追ってきた
悪霊達が屋敷を包囲、次第に邸内に入り込んでくる。
必死で逃げ延びた夫妻は悪霊達の住処である修道院に
辿り着くと、死霊達が崇めている石像を押し倒して破壊する。
後を追ってきたゾンビはドロドロの赤い血を吹き出すと
瞬く間に朽ち果てていくのだった。

この映画では特に、海辺というロケーションも手伝ってか
他作よりもキャメラ・ワークが優れていて、
残虐な場面と、詩的で美しい画面作りをブレンドした構成が
不思議な印象を生み出している。青みがかった疑似夜景も
ムードたっぷりで効果的。

また、浜辺の黒い岩肌に鎖でつながれた白いローブの
美女達が生贄に捧げられるという<ヴィジュアル>は、
今までになかった印象的な画面を作り出しているし、
犠牲になった若い女性達の叫び声が<カモメの鳴き声>に
聞こえるというアイデアは、非常にロマンティックな雰囲気を
醸し出し、このシリーズに新しい魅力を導入する事に成功して
いる。しかし全編に渡ってスローモーションを多用して描かれる
ブラインド・デッド>達のシーンは、少々食傷気味か?
(それもその筈、ゾンビが墓から起きあがる場面の
フッテージは、何と第1作の使いまわしだ!!)

こういうのも、そろそろ飽きてきました。

また知恵遅れの青年を登場させ、村人達が彼を
殺してしまおうとするサブ・プロットも用意され、
死者だけでなく、人間の残虐さも物語に取り込んでいる。


追記しておきたい点として、ジュリア・サリーがチラッと
顔を見せているのも見どころのひとつである。
彼女はポール・ナッシー絡みの作品、例えば
「怨霊〜女帝エリザベスの復活」や、「残虐!狂宴の館」等の
映画に出ている女優で、実際ナッシーと共同で
何本かの映画の制作にもクレジットされている。
ジュリア・サリーはそれ程若い(ついでに美人な)女優ではないが、
が出てくると、その存在感で画面が引き立つ気がする。
この種の映画になくてはならない女優さんだ。


演出中のオッソーリオ(とジュリア・サリー:左)

この映画のUncutプリントはドイツ経由の英語吹き替え版
ビデオで観ることが出来る。このバージョンは、女性による
エロティックな(喘ぎ?)声が要所要所に追加ダビングされて
しまっているが、それでも画質・色彩ともに非常に素晴らしい
状態である。Sony VIDEOからも「NIGHT OF THE DEATH
CULT」と改題されたこの映画のビデオが出ているが、
そちらはカットが施されてしまっているマスターだ。

日本版のビデオに記載された写真はどうやらこのポスターから
取られた様子(アメリカ版?)。本編の題名クレジットが
「Terror Beach」なのはアメリカ版からの流用という証拠?!

日本版のビデオは79分と記載されていて、一応英語版。
セレクト・フィルムなる会社がプレゼンツしているバージョン。
クレジットも後から付け直したような感じで、非常に怪しげ。
日本版ビデオには予想外のオマケとして、巻頭に
同じクラリオンから発売されたフルチの「
恐怖!黒猫」と
惨殺の墓場」の予告(本編を編集しただけで
大したモンじゃないですが)が収録されている。

Uncutかどうかは別にしても、100分以上あるマスター
(オランダ版?)も存在し、日本版のクレジットが始まる前に
道に迷ったカップルが生前の騎士団に襲われて虐殺される
過去のシーンがついているそうだ。海に投げ込まれた彼等の死体は
バラバラに切断され、死臭に群がってきた海ガニに食い荒らされる!
本編中一番ゴア度が高くて、強烈なインパクトを持ったこの場面、
あるのとないのでは大違い!他にも本編で生贄にされた女性が
その死体がカニに食い荒らされるシーンがリプレイされる念の入れよう。
日本版にはこの辺の描写は一切なし!
Info from Django


左の写真、分かり辛いけど、左の上の方にいるのがウワサのカニ。
右はキャロライン・マンロー似(笑)の犠牲者。



品毎の解説(Text & Photo:やまもとさん)

ここで、ウェブを通じてお知り合いになった
ブラインドデッド研究家、やまもとさんによる検証を。
(詳細なチェックと、ウィットに富んだ表現!
文字が細かくてスミマセンが、ファン必読です!)

個別評価

画像をクリックして下さい

Die Nacht der Reitenden Leichen
「エルゾンビ/落武者のえじき」(1971)
Tombs of the Blind Dead
Die Ruckkehr der Reitenden Leichen
Return of the Blind Dead (1973)
Das Geisterschiff der schwimmenden Leichen
The Ghost Galleon (1975)
Das Blutgericht der Reitenden Leichen
「髑髏軍団美女虐殺」
Night of the Death Cult (1975)
   

 

 


<ゴーストガレオン編>

●個別評価  

3.
Das Geisterschiff der schwimmenden Leichen
The Ghost Galleon (1975)

パッケージ記載時間 86min
実収録時間     82min34sec (NTSC換算 86min00sec)
IMDB        106min (85min Spain)

 
<おはなし>

海上で行方不明になった友人を探すため、
モデルとプロダクションの女社長、
その恋人と粗野な男、教授の5人が幽霊船に遭遇。
モデルは行方不明の友人同様に
テンプル騎士団の手にかかって死ぬ。

航海日誌から騎士団の存在を知り
その財宝を発見した4人、
そのときたちあらわれるテンプル騎士団。
十字架を象ったタイマツで騎士団を
いったん退けた彼らは、
騎士団が無力な昼間の内に棺を海中に投じる。

教授を除く3人は泳いで逃げようとしたが、
身をあずける丸太の奪い合いで粗野な男は死に、
教授も突如炎上した幽霊船と運命をともにする。
上陸、力尽きた女社長と恋人を追うように
やって来た騎士団が二人に覆い被さる。
 
   
<画質>  


前2作と異なり、この作品からドイツ語タイトルの
プリントがマスターに使用されています。
(タイトルバックの悪魔の像(山羊のような
角のあるタイプ)から、いきなり水着モデルによる
撮影風景と意味不明のサービスカットに続く
(「ナイトメア・シティ」にも同じような
サービスカットがありましたなあ)という大胆な構成です。)

それまで、難アリ、問題外と画質面で低調でしたが、
この作品は発色、明度とも十分きれいです。
暗闇のシーンなどは流石に暗部がつぶれてしまい、
地下室やら船内やらと暗いシーンが多いこの作品は
不利かな。でも古い作品であることを考慮すれば
十分評価できます。LD相当の画質といって良いと思います。
(右はドイツ版オープニング・クレジット)

<ツッコミ>
劇中、モデルと粗暴な男との諍いと監禁逃走劇
(意味不明)や、友人の身を案じるモデルの
多分にレズっぽい雰囲気の回想シーンなど、
中途半端なサービスシーンがあちこちに見られます。

一言で言ってしまうと、ゴア少ないっす。
ドイツの規制のためかもしれないですが、
ほとんど血さえ流れません。
犠牲者も、先に船にあがった女の子は
オフで叫び声があがる程度。もう一人も逃げ回り、
転落して、テンプル騎士団につかまった後は
担ぎ上げられて船倉へポイッ、ですからね。
狭い船の中をのそのそと女の子を追いまわす
騎士団は随分とみみっちく見えます。


ヒロインの一方、金髪モデルは、
まず咽喉を掻き切り声を封じるという
騎士団の頭脳的戦法により助けを求めることもできず
はいずる、というなかなか見応えある
最期を披露してくれました。(右写真)
一方騎士団はといえば、燃える十字架で撃退される、って、
目の見えない騎士団がどうして燃える十字架を
恐れるのでしょうか?謎です。
今回の騎士団には目を焼かれるエピソードがないので、
目が見えないわけではないのかも知れませんが、
それじゃBlind Dead になりませんね。
(盲目なのに火を畏れる騎士団たち:右)
ラストシーンなどで確認できる限り、
騎士団は10名はいるようです。
船底から10個以上の棺を担ぎ出すというのですから
ご苦労様です。まあ騎士団はカサカサですから
きっと軽いでしょうけれど。

全体に展開がトロく、ゴアなどの刺激にも欠けます。
4作で一番人気がないというのもむべなるかな。
この際、幽霊船の模型がしょぼすぎるとか、
霧の特殊効果が合成マルわかりとか、どうでもいいです。(笑)

●最後の船の画像、どうにも分かり難くてゴメンナサイ。
私、加工が果てしなく下手なんです・・・涙(山崎)

 

 


<髑髏軍団編>

●個別評価  

4.
Das Blutgericht der Reitenden Leichen
「髑髏軍団美女虐殺」
Night of the Death Cult (1975)

パッケージ記載時間 85min
実収録時間     81min26sec (NTSC換算 84min50sec)
国内版       79min
IMDB        89min

 
<おはなし>

荷車に乗った若い夫婦がテンプル騎士団
(まだ人間)に遭遇、夫は殺され
巨乳の若妻はさらわれる。
騎士団の寺院で乳は殺され、
取り出された心臓は奇怪な魔神像に供される。
乳に群がり血をすする騎士たち。

変って現代。海辺の寒村にやってきた
医師夫妻だが村人になじめない。
実は彼らは若い村娘を泣く泣く
テンプル騎士団への生贄としていたのだ。
知恵遅れの男が生贄のことを
医師に知らせようとしたため
村人に崖からおとされ、
一命をとりとめた彼から医師は友人の村娘が
いままさに生贄にされようとしていることを知る。

間一髪娘を騎士団から救い出すものの
医師邸に押し寄せる騎士団のため、
まず知恵遅れの男が、続いて逃亡中に村娘が命を落とす。
そして騎士団の寺院に逃げ込んだ夫妻が
魔神像を打ち壊すと、
騎士団は血を流し朽ち果ててしまった。
<つっこみ>  
好きです、これ。全体に雰囲気があり、
「エルゾンビ」の次くらいにデキが良いように思います。
日本版ではカットされている冒頭の若夫婦のエピソードですが、
この若妻がイイ!ちょっとキャロライン・マンロー似
(抗議・反論は受け付けません)で、衣服の胸元、
大きく開いてます!乳ほりだします!(上図参照:笑)
そのあと、ほりだした乳を、じゃなくって
えぐられた心臓をささげられる魔神像(右)は
半魚人かカエルかといったデザインでいただけませんが。

他にも、知恵遅れの男が窓から覗き込むシーンなど
演出もなかなか緊張感があります。
二人目の生贄のシーンでも、
恐怖のあまり声も出ない娘を騎士団が
見つけられず「?」となるなど、
なかなか芸の細かい見せ方もやってくれます。

なにより薄暮の波打ち際を馬をとばしてやってくる
騎士団のビジュアルがカッチョエーです。
ただし、ゴアシーンは抑え目で、
えぐりだした心臓以外は血のついたナイフが映る程度。
全長版に収録と噂の「バラバラ死体に
カニがたかるシーン」など収録されていません。
やはりドイツ自主規制版なのでしょうかねえ。

テンプル騎士団参上!かっちょえー!(右)

ラスト、魔神像の破壊と共に滅びる騎士団の様は
流れ出る体液や崩れる体など、
「死霊のはらわた」の崩壊シーンを連想しました。
ライミがパクったわけではないでしょうが、
オッソリオのイメージの豊かさ・先駆性がみてとれます。
(右:血を噴き崩れる騎士団。
「死霊のはらわた」の崩壊シーンを彷彿とさせる)
この作品で面白いのは冒頭にある生前の騎士団の
エピソードはともかくとして、それ以外騎士団は積極的な殺しは
していないんですね。生贄は村人がお膳立てしたものを
ごっつぁんだし、知恵遅れの男ももともと村人に崖から
突き落とされたわけですし。
生贄かっさらわれて逆上するまでは攻撃的な行動に
でないんです。ですから、騎士団が攻撃に転じるそれまでは、
村人の、悲しんではいるものの粛々と生贄を差し出す様が
不気味で、うすら寒いものに感じられます。
英語題の「Death Cult」も騎士団ではなく、
村人の様子をさしていると深読みすることもできそうです。
<画質について>
「The Ghost Galleon」同様、ドイツ語タイトルのプリントが
マスターに使用されています。ドイツ語プリント版
2作に共通して発色、明度とも十分きれいです。
暗闇のシーンなどは流石に暗部がつぶれてしまっていますが、
30年近く前の作品であることを考慮すれば
十分評価できます。LD相当の画質といって良いと思います。
かちかち山ではありません。火をつけて何とかなるなら
騎士団なんてちょろいと思うのだが・・・(右)

 

楽しんで貰えたか〜い?!

他の監督のことも調べてみる